撮影ロケ地によって異なる注意点を解説

space palette labo編集部

撮影ロケを行うときには、場所ごとに注意すべきことがあります。撮影ロケをスムーズに行うためには、申請や手続きについての知識だけではなく、ロケ地がもつ特徴を把握しておくことが大切です。

今回は、よく利用される撮影ロケ地のパターンをピックアップして、撮影前に知っておきたい注意点についてお話しします。

撮影ロケ地とは

撮影ロケ地とは、ロケーション撮影が行われる場所をいいます。道路や店舗、駅や学校や病院など、さまざまなところに撮影ロケ地は存在しています。撮影ロケは、スタジオでの撮影ではなく、屋外やスタジオ外の施設で撮影が行われるため、事前に許可申請や手続きが必要です。撮影ロケ地として使われた場所は、その後知名度があがり観光地として発展しているところも多くあります。

撮影ロケ地の探し方 

撮影ロケを行うときには、撮影ロケ地を探すことから始めます。ロケハンとよばれるロケーションハンティングによって撮影ロケ地を探すこともありますが、最近は撮影ロケ地の検索サイトを使って探すこともあります。撮影ロケ地の検索サイトは、東京都ならば東京ロケーションボックス、大阪ならば大阪フィルム・カウンシルのようにフィルムコミッションが運営しているものも多くあります。施設や料金、撮影時間など条件を絞って検索することができるため、限られた条件下での撮影ロケ地探しのときには効率的に探すことができるでしょう。

また、撮影ロケに専門的な知識やスキルが求められるロケ地を探すときにはロケコーディネーターに依頼する方法もあります。ロケコーディネーターは、現地の土地勘がある人がロケハンから同行します。撮影ロケ全般をコーディネートしてくれる強い味方ではありますが、費用が必要になります。

撮影ロケ地別の注意点

レストランなどの飲食店

レストランなどの飲食店で撮影ロケをするときには、事前の申込が必要になることがほとんどです。ドラマや映画の撮影ロケならば、他の客がいないときに撮影する必要があるため、撮影日時は定休日か営業時間外に限られます。また、店を貸切る必要がありレンタル料が必要です。一般的な撮影ロケの使用料よりも高額になる傾向があり、事前に料金の確認をするようにしましょう。

また、商業施設やショッピングモールにテナントとして入っている飲食店で撮影するときには注意が必要です。飲食店の許可だけでなく、商業施設やショッピングモールの所有者に許可を得る必要があります。この点は以前の記事でも触れている施設管理権に該当しますので、よろしければご一読ください。

公園等の公共施設

公園で撮影ロケをするときには、公園の持ち主によって手続きが変わります。公営の場合は、管轄する市区町村の許可が必要です。注意点は、撮影可能時間に制限があることです。公園の利用者が減る夜間の時間帯は撮影許可が下りやすいのですが、昼間や休日は事前相談が必要になります。また、新宿御苑のように個人の写真撮影であても条件によって事前許可が必要になることもあります。新宿御苑では、営利目的の撮影は一切禁止されています。

大きな公園は、河川に面していることもあります。公園と河川は管轄が異なります。河川で撮影ロケを行うときには、別途河川を管轄する河川事務所に問い合わせましょう。

学校や教育機関系の施設

学校で撮影ロケするときには、公立と私立で大きく変わります。公立学校での撮影はとてもハードルが高いでしょう。なぜならば、公立学校は自治体と教育委員会の両方から許可を得なければならないことが多く、撮影していい範囲が限られる傾向があります。

私立学校は、公立と比べればハードルは低くなります。ただ、撮影内容が学校という場にふさわしくないときには断られる可能性もあります。学校によっては、学校にとってプラス効果のあるもの、例えば学校の宣伝につながる撮影は可能ですが、撮影ロケ地としての利用は不可としていることもあります。

予定していた撮影ロケ地が使えなくなったときの対処方法

レストランや飲食店が急に使用できなくなったり、荒天で公園での撮影ができなくなったりすることはよくあることです。撮影ロケ地を決めるときには「予定していた撮影ロケ地が使えなくなったときのこと」まで考えておくことが大切です。

レストランや飲食店や民家の中での撮影ロケならば、撮影スタジオやハウススタジオのレンタルスペースで撮影ロケできる可能性があります。学校のレンタルスペースは数が少ないのですが存在し、廃校になった校舎も撮影ロケ地として開放しています。廃校になった校舎は、学校の都合で突然キャンセルになる可能性はなくなりますが、電源など持ち込まなければならないものが増えるデメリットはあります。

公園や河川など屋外での撮影は、天候に左右されます。雨天の場合には延期するのか、決行するのかを事前に決めておくことが大切です。決行の場合には、カメラカバーや傘など準備するものが増えます。延期するときには、衣装のレンタル日変更やスケジュール調整に注意が必要です。

まとめ

撮影ロケ地を選ぶときには、撮影ロケ地として使われた経験がある場所を選ぶこともスムーズな撮影をするポイントです。実在する学校や店舗での撮影では、窓からの光の入り方などスタジオでは必要なかった配慮も必要になります。紹介した撮影ロケ地別の注意点に気をつけて、よりより撮影ができる場所を探してください。

この記事がビジネスに従事されている方のお役に立てれば何よりです。

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文:式部 順子

編集:簡 孝充

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