1.2万人のフォロワーを抱える理容室のSNS戦略-お客様一人ひとりと作り上げていくストーリー-

space palette labo編集部

前回に引き続き、理容室Apacheに行ったインタビューをご紹介する。近年SNSの影響力が高まるとともに、ブランドを確立していく上で必要な不可欠な要素となりつつあるのがSNSだ。一方で運用に試行錯誤をしている事業者はとても多いはずだ。

本投稿では、1.2万人以上のフォロワーを抱える理容室Apacheに行ったインタビューより、

SNS運用にフォーカスしてお届けする。

フォロワー数よりも質を重視!床屋ならではの特徴を表現

ーSNSのフォロワーを増やすために力を入れていることは?

Apache: 地域やターゲットなど、どんな方が見ているかを明確にして投稿しています。また、若い世代の方が簡単にフォロワーを増やす方法を知っているので、お店の若い世代の意見にも耳を傾けるようにはしています。

他店と違う点としては、ストーリーや対話を大切にしていること思います。床屋ならではというか、対話を重視するように心がけています。ただし、大前提として、僕らはまだ甘い方だなと考えています笑。

ちょっと時間がなくてできない時もあるのかと思いますが、なるべくメンションされれば返したりしてます。小さいことでも恩を返していくという意識でやるようにしています。美容室とは違って市場のパイは多くないので、1.2万人という数字的は充実しているものかと思います。

ー投稿の頻度などは?

Apache: スタッフ全員で定期的にミーティング行こなっています。その際に、これから発信していくこと等は共有するようにしています。

今はインスタグラムが主軸ですが、投稿よりもストーリーが多めです。特にこの2年くらいは、投稿よりはストーリーの方が見る頻度が高いので、ストーリーに力を入れるようにしています。

RIDE WITH APACHEの様子

また、フォロワーの誰かがお店やスタイリストにタグ付けをしてくれたときには、その方のコミュニティにお邪魔している感覚を持って発言をさせて頂くようにしています。

各スタオリストのフォロワーは1000名~3000名単位なので、それほど多くはないかと思います。ただし、しっかりと自分達のことを理解して頂けている方に絞っています。なんとなくフォローしてくれているだけの1000人ではなくて、自分達をしっかりと理解してくれている1000人なので価値が違うと思います。

その点の質にこだわってインスタグラムの人集めをやってきました。

発信コンテンツと運用体制について

ーいつ頃からSNSの運用に力を入れて取り組んできたか?

Apache: インスタグラムが主流になってきたのがここ4、5年くらいでしょうか。その辺りから至上命題として取り組んできました。現在は少しづつ変化していて、youtubeやtiktokなども行うようになりました。元々はブログを中心に行なっていましたが、当時はまだSNSの影響力がそれほど強くない時期だったと思います。

発信内容としては基本的に人(スタイリストやスタッフ)の特徴や魅力などを発信していくようにしています。

新しいプラットフォームが出てきたりしたら、その特徴やどんな方が見ているかだとかを理解して随時対応できるようにしてきました。ただし、twitterは荒れやすいのでリスクも加味してあまり取り組んではきませんでした。

ーインスタグラムを基盤に、各スタイリストとお店のアカウントをそれぞれ構築しているのか?

Apache: そうですね。各スタイリストが1,000名程度の密度の濃いフォロワーさんと対話をするようにしています。先ほども話したように、しっかりと相互に理解ができているフォロワーさんなので、レスポンス率などは特に高い方かと思います。

RIDE WITH APACHEの様子

ーお店側からユーザーに対してフォローするか?

Apache: はい、行いますね。フォローしている数とフォローされている数が同じだろうが、多かろうがその点は気にしておりません。少し昔の考え方で、フォローしている数とされる数の多さで良し悪しはありましたがその点はあまり意識しておりません。

しっかりとした繋がりがある方からコメントなどが返ってくるとユーザー側としては嬉しいものかとも思いますし、そういう感覚は意識して大切にしています。

理容室Apacheが普段から意識しているノウハウは本質的な人の繋がりを重視しながら展開をされており、時代に合わせてブログからインスタグラム、youtube,tiktokへとプラットフォームを変遷してきたという歴史がある。時代に合わせてコンテンツの編集を研究しながら変化してきたことが伺えるが、人の繋がりを重視しながら運用がされているように思える。デジタルであれ、アナログであれツールに頼らずに人を輪を広げてきたようだ。

取材・文:簡 孝充

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