イベント企画における基本的な考え方−自社イベントを成功させる要因を解説−

space palette labo編集部

自社の商品をお客様に直接触れてもらえるという点でイベントというチャネルはとても有効な手段です。大きめのイベントに出店してみたり、自社で企画するという機会も考えられるでしょう。イベントの成功は企画の段階で決まるといっても過言ではなく、押さえておくべきポイントももちろんございます。

今回は、イベント企画をするときに予め知っておきたいことを解説させて頂きます。

イベント企画の基本的な考え方

 イベント企画は、タスクやスケジュールなどの枝葉タスクを決めるだけではどこか面白さに欠けてしまいます。イベント開催の目的やターゲット層など、イベントの芯となる部分を最初に決めておくことが大切です。関係者が共通認識を取りやすいからです。まずは『誰のために、何をするのか?』という基本レベルの情報から組み立てていく必要があります。ここでは、最初に考えておきたいことを解説いたします。

全体コンセプトの考案

イベント企画の考え方とは、コンセプトを意味しています。イベントの目的や全体のテーマを決めることで、内容に統一感を持たせることができます。コンセプトやテーマは抽象的になりがちですが、できるだけ具体的にするほうがわかりやすいでしょう。例えば「明日からの日常を笑顔にする」や「身近な人に幸せを与える」のように「何をどうする」と考えてみるとアイデアが出しやすくなります。

ペルソナ(想定ターゲット)の設定

コンセプトと共にターゲットも決めます。年代や性別だけでなく、ターゲットは具体的な人物像(ペルソナ)をイメージするといいでしょう。例えば、ハンドメイドのイベント企画ならば「世界にたった一つしかない物を求めてやってくる若い女性」、物産展企画ならば「旅行に行った気分を味わいたいシニア世代」などです。旅行に行った気分を味わいたいのならば、物販だけではなく体験ブースも人気が出るかもしれません。ターゲットを具体的に決めることで企画も具体的なアイデアが出しやすくなります。

企画段階で情報収集すべき内容

イベント企画は、事前の情報収集がどれだけできているかによって仕上がりが左右されます。ここでは企画の段階で最低限は確認しておきたい情報を解説させていただきます。

過去実績

過去のデータは非常に重要です。同じイベントを過去に開催していたならばそれを元に、ざっくりとした予測ができるはずです。具体的には来場者数、買い上げ客数、全体売上、告知方法と予算規模等の過去実績等です。全く同じイベントを実施したことが無ければ類似イベントでも良いでしょう。

上記のような定量的な実績があることで、目標設定がしやすくなり、全体の予算規模の目安を立てられやすくなるはずです。

商圏や立地の特徴

イベント企画といえば会場の内側だけに集中しがちですが、実は周辺環境の情報、つまり商圏を知ることも大切です。例えば、会場からのアクセスだけではなく、その地域の居住人口や人口特性、属性の情報、最寄駅からの駅乗降客数といった人の流れについては企画の段階で知っておいた方が良いものです。

また、都市部と郊外エリアでは根本的に人の流れが違うという点も考えておきたいことです。首都圏在住の方であれば、駅からのアクセスを最重要視するはずですが、郊外エリアでイベントを展開する場合には必ずしもそうではありません。多くの地方都市は車社会だからです。

このような情報があることで、イベントのターゲットになりそうな方がどの程度いるのか?また、どの範囲まで告知をしようか?という点の根拠となり得るものです。ちなみに、商圏分析については各自治体のホームページで公開がされているレベルのものもあれば、より詳細の情報が知れる有料のツール等もございます。

告知と集客について

イベントの概要が決まり次第、告知をどうするかについては漏れずに検討すべきタスクの一つです。とても重要な要素となるため、イベント企画の段階から告知と集客の方法も考えておきましょう。

告知方法について

少し前まではイベントの周知や告知にはダイレクトメールや折り込みチラシによる周知が告知が主流でした。しかし最近はSNS広告を活用する場面が多々ございます。費用対価効果や手軽さといった点で小規模イベントには適しているからです。

前述のような商圏特性と人の流れ、ターゲットの情報に合わせて告知情報を配信することができ、入稿から配信までの流れがとても簡単です。従来型の広告であれば、広告代理店を介在させる必要がありましたが、SNS広告については自社のみでも配信までを行うことができます。あまり自信がないという方であれば代理店に依頼することもできるはずですが、自社で運用すればマージン(手数料)が発生しないため同じ予算でもより多くの人に情報を届けることも可能です。

SNSといっても実に様々なものがあり、近年は決して若年層向けの施策のみで活用されているわけではありません。スマホの普及率とともに利用者数はSNSの利用者も既に大多数をしてるようになったため、属性に応じて適したプラットフォームを選ぶことができるはずです。

また、既に自社のSNSアカウントやホームページがあれば、オーガニック投稿で告知しておくことも肝心です。告知の範囲が基本的にフォロワーや自社の顧客のみとはなってしまいますが、イベントに来場してもらえるきっかけにもなるはずだからです。

告知期間について

イベントの開催日の決定し、告知物(クリエイティブ)が完成した際には、極力早く告知は行っておくべきかと思います。できればイベント開催日の1ヶ月程度前には実施しておきたいものです。最低でも2週間前には告知は開始しておくべきです。理由としては、告知のタイミングが急すぎると、そのイベントに興味があっても予定が決まってしまっているので来場できないというお客様が出てきてしまうためです。あまりに急すぎる告知は集客数にも影響が出てきてしまうはずなので、顧客目線で余裕のあるスケジューリングを心がけましょう。

コロナ渦で考えておきたいこと

新型コロナウィルスが蔓延し、イベントで必要とされることも変化してきたはずです。昨今はイベント会場で消毒液やアクリル板を設置したり、人が多く集まる場所には検温機が設置されることが当たり前になってきたように思えます。このような対策はもちろん重要ですが、顧客目線で最も気にされる点は会場が密であるか?という点です。

そのため、来場は無料であっても入場に人数制限を設けたり、現在会場の会場が混み合っているのか、空いているのかといった情報をwebサイト上に告知をしたりという動きも一般的になりつつあります。

特に、人数制限やお客様への告知や案内が必要な場面で、よく使われるようになったのがpeatixです。基本的にはオンラインイベントやセミナーで多く活用されているイメージですが、入場制限を設けているような場面ではリアルイベントでも活用がされています。無料イベントであれば、ツールの利用料金も無料で活用ができ、受付やメッセージング機能も有しているため活用されている現場が非常に増えています。

昨今はイベントを主催される際に、密になってしまうことへの対策も告知や集客と合わせて検討すべきことです。  

組織体制とオペレーション

イベント中はなにが起きるかわかりません。地震や火事以外にも、企画段階では想定していなかった想定外の想定外が起こるかもしれません。そのため、イベント企画では、想定外の事態が起きたときに誰が判断し決定するかという組織体制を明確にしておくと決めておくことが肝心です。

トップダウン型とボトムアップ型の組織体制

組織の意志決定の方法には、トップダウン方式とボトムアップ方式の2種類があります。トップダウン方式は、組織の決定事項に現場が従う方式で、ボトムアップ方式は現場の意見を上層部が聞いて判断し、支持を出す方式です。イベント企画での意思決定は、主催者を起点としたトップダウン方式の方が適しているでしょう。

トップダウン型

なぜならば、トップダウン方式は指示までの時間が短いからです。想定外の問題が発生した際には速やかな対応が求められます。全体の流れを把握できている人がトップダウンで指示をだしたほうがスムーズだからです。

イベントにも様々な種類があるため一概には言えませんが、出店ブースが並ぶようなイベント(マルシェや物産展等)であれば、会場全体のレギュレーションや問題に対処するのは主催者を起点としたトップダウン方式、会場に来られたお客様への対応は各ブースを起点としたボトムアップ方式で意思決定をしていくことが一般的です。

重要な点としては、不測の事態があった場合に、参加者が誰に確認すれば良いのかを明確にしておくことです。

まとめ

イベント企画は、綿密にしておきながらも想定外が起きたときには柔軟な対応ができるようにしておくことがポイントです。また、イベント企画を成功させるコツは、顧客目線をもってさまざまな視点からものごとを考えることです。

この記事がイベント企画を検討されている事業者様のお役に立てれば幸いです。

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文:式部 順子

編集:簡 孝充

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