2021-06-10
レンタルスペース経営
レンタルスペース事業の始め方-事前準備や集客方法を解説-
space palette labo編集部
事務所などの空きスペースを有効活用するため、レンタルスペースの始め方を調べている方も多いのではないでしょうか。レンタルスペースの運営を成功させるためには、ターゲットユーザーの設定や機材の用意、集客など様々な作業が必要です。
この記事ではレンタルスペースを始めるため準備や主な集客方法について解説します。
【目次】
レンタルスペースの貸し出し先による用途の違い
レンタルスペースの用途は、貸し出し先が法人か個人かによって異なる傾向です。スペースの用途によって用意するべき設備が異なるため、貸し出し先による違いを把握しておく必要があります。
レンタルスペースの貸し出し先による主な用途は次の通りです。
法人がレンタルスペースを利用する場合、次のような用途が挙げられます。
・セミナーや説明会などのイベント会場
適度な広さや設備を持つレンタルスペースは、法人が主催するセミナーや説明会などの会場として人気です。
・ポップアップストアの出店
店舗を持たず、期間限定で商品を販売するポップアップストアとしても、レンタルスペースが活用される場合があります。
キッチンのあるレンタルスペース(写真:簡孝充)
・飲食店やサロンなどの出店
キッチンや施術スペースなどの設備が整っている場合は、飲食事業者やサロン向けにスペースを場所貸しすることも可能です。飲食事業者向けに貸し出す場合にはスペースを借りる側も許可も必要になりますためご注意ください。※詳細は「弁護士と考えるレンタルスペース運営に関する法律ー#01.許可と資格についてー」をご参照ください。
・撮影ロケーション
いわゆる「映えスポット」では撮影目的でスペースを利用したいという方もいらっしゃいます。特にテレビ局や映像制作会社の方はロケで利用できそうなスペースを探しています。
個人がレンタルスペースを利用する場合、次のような用途が挙げられます。
・テレワークや自習目的
家以外の場所でテレワークをしたいビジネスマンや、自習したい学生からもレンタルスペースが人気です。
・オフ会や小規模なパーティー会場
飲食物の持ち込みが可能なスペースは、オフ会や小規模なパーティーを開く目的でレンタルされる場合があります。
・ダンスやヨガの練習
鏡やマットレスがあるレンタルスペースは、ダンスやヨガを練習する場所として利用されることが一般的です。
レンタルスペース運営の始め方
レンタルスペース運営を始める際は、ターゲットの決定や機材の用意、オペレーションの決定などが必要となります。既に保有している物件の一部を時間貸しする場合は、準備が整い次第レンタルスペース運営の開始が可能です。以下では、法人向けレンタルスペースの始め方についてステップごとに解説します。
レンタルスペースを始める際は、まずスペースをどのような用途で誰に貸し出すかを決めましょう。貸し出すスペースの特徴によって、最適なターゲットは異なります。
たとえば、交通の便が良い場所なら、企業がセミナーやイベントを開催するためのスペースとして活用することが可能です。また、内装にこだわりのあるお洒落な物件は、インタビュー動画やミュージックビデオ等の撮影スペースなどとしても時間貸しができます。
重要なことは物件の所在地やスペースの特徴を考慮して、主な用途やターゲット層を決めることがポイントです。
レンタルスペースの用途とターゲットが決まった段階で、次に必要な設備や機材を整えましょう。
一般的に、スペース利用者が使用する机や椅子などは、用途を問わず必要となる傾向です。また、電源の延長ケーブルや、防犯用の設備も用意する必要があります。
セミナー会場として利用する場合は、ホワイトボードやプロジェクター、音響設備も必須です。このほか、ポップアップストアでは商品陳列用の什器、飲食店では食器類やキッチン設備など用途に応じた機材を用意しましょう。
レンタルスペースの運営を始める前に、常駐スタッフの有無や利用方法など具体的なオペレーションを決めることも大切です。レンタルスペースの利用者からどのように予約を受け付け、利用料金の支払いや利用後の清掃をどうするかなど、運営方法を決めましょう。
また、万が一トラブルが起きた場合の対処方法も事前に決めておく必要があります。物品の破損や盗難などに備えて利用規約を作成することが大切です。必要に応じて、契約関係の書類は弁護士からのチェックを受けましょう。なお、オペレーションを行う時間がない方には、運営を代行会社に依頼するという選択肢もあります。
レンタルスペース事業を開始する際は、管轄の税務署に開業届を提出する必要があります。すでに個人事業種や法人として開業している場合であっても、事業内容にレンタルスペース運営が含まれていない場合は届出が必要です。
また、開業届と同時に「所得税の青色申告承認申請書」などの書類も作成し、税務署に提出しましょう。法人として開業している場合は、定款に記載された事業内容の変更手続きによって、レンタルスペース事業を開始できるケースがあります。開業の際に必要な届出や法律については、こちらの記事でも解説しておりますので合わせてご確認ください。
レンタルスペースに集客する主な方法
レンタルスペースに集客する主な方法は次の3種類です。
レンタルスペースの提供者と利用者のマッチングサイトに登録すると、スペースを探している方を集客できます。サイトには複数の種類があり、多くのサイトでは予約の成立時にしか手数料がかかりません。初期費用や掲載料がかからないため、合理的に集客施策を始めることが可能です。
自社でレンタルスペースのWebサイトを構築し、広告やSEOによる集客をすることもできます。ただし、オンライン集客を自社で成功させるためには、宣伝費やマーケティングのノウハウが必要です。そのため、レンタルスペース運営が初めての場合は、自力での集客よりもポータルサイトへの登録が適しています。
ほとんどの事業者は開始当初は既存顧客の絶対数は低いはずです。ただし、いかにして固定客を集めていくかという点はあらゆる事業に共通の課題と言えるはずです。昨今では便利なコミュニケーションツール(LINEやSNS等)がありますが、ぜひ有効活用をして頂きたい。
集客については「レンタルスペース事業者のマーケティングー新規集客から顧客育成までのプロセスー」という記事でも詳しく解説おりますので、ぜひご一読ください。
まとめ
レンタルスペースを始める際は、スペースの利用ユーザーに合わせて準備を整えることが大切です。また、開業届の提出や、レンタルスペースの集客サイトへの登録も必要となります。法人向けレンタルスペースの運営を検討している方は、今回ご紹介した始め方を参考に準備を進めてみてはいかがでしょうか。
この記事が少しでもお役に立てば幸いです。
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文:堀内 忍
編集:簡 孝充
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