2021-09-28
不動産管理
不動産投資におけるリスクを解説-初心者は知っておきたいこと-
space palette labo編集部
不動産投資と聞いて、リスクの多そうなイメージがあるものの、具体的にどういったリスクがあるのか今一つわからない人も少なくありません。不動産に限らず投資にはリスクが付き物です。その一方で特性をしっかりと把握しておくことで前もって対策を講じることができます。
今回の記事では不動産投資の代表的なリスクとその対応策について解説いたします。
投資におけるリスクの分類
投資と言ってもFXや株式、国債など様々な投資手法があり、それぞれが持つリスクの度合いも異なります。ここでいう「リスク」とは不確実性のことを指し、投資の結果がプラスに転じるかマイナスに転じるかわからない収益(=リターン)の変動幅のことです。
また、投資はリスクとそこから得られる利益のバランスによって、以下の3種類に分けられます。
- ローリスク・ローリターン投資
- ミドルリスク・ミドルリターン投資
- ハイリスク・ハイリターン投資
このうち、不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンに当てはまると言われています。その理由として、短期間で資産を大幅に増やすことは難しいものの、継続して毎月安定した収入(=家賃収入)を得られることが挙げられます。
不動産投資における主なリスク
不動産投資にはメリットが多い反面、当然リスクも存在します。ここでは代表的なリスクを5つ、取りあげてみました。
不動産投資の中でも最大のリスクといえるのが、「空室リスク」です。空室リスクとは、その名の通り長期にわたって空室が生じ、家賃収入が見込めないリスクを指します。空室リスクを軽減するためにできる対策として、以下の◎点が挙げられるでしょう。
- 立地の良い不動産を選ぶ
- 家賃が適正であるか見直す
- 信頼のおける管理会社を選ぶ
空室リスク対策に限った話ではありませんが、不動産投資では物件選びが極めて重要です。長期的に需要が見込めそうなエリアを見定めるのはもちろんのこと、利便性が高い場所であるか、建物の耐震性は十分であるかなど様々な観点から物件を判断する必要があります。
また、どれほど魅力的な物件であったとしても退去者が生じることは避けられず、賃貸管理会社の営業力も試されます。昨今は、空室が常態化している物件を宿泊施設にコンバージョンしたり、レンタルスペースとして運営したりなど従来の方法に縛られない運用が必要になってくるはずです。様々な
不動産投資において、物件購入時にローンを借り入れるケースがほとんどです。しかしながら、借入時に変動金利を選択した場合において、金利上昇に伴って返済負担が増える可能性があることを念頭に置いておかなければなりません。
なお、金利上昇リスクを回避するための策として、変動金利ではなく固定金利を選択する、繰上げ返済をする(ローンの借入期間を短く設定する)といったことが挙げられます。とはいえ、固定金利と変動金利のどちらを選択するのが適切であるかは、その時々の金利によって変化します。
借入時に金融機関の担当者はもちろん、専門家の意見も仰ぎながら判断するようにしましょう。
日本に住んでいる以上、地震はもちろん火災などによる災害リスクは避けられません。特に日本は地震大国と呼ばれることもあり、完全に地震リスクをゼロにすることはできないでしょう。しかしながら、地震が起きた場合でも被害を最小限に留めることは可能です。
具体的には次のような対応策が挙げられます。
- 耐震基準を満たした不動産を選ぶ
- 地盤が強い地域を選ぶ
- 地震・火災保険へ加入する
地盤が強いかどうかについては、朝日新聞株式会社が公表した「揺れやすい地盤」などのツールで確認可能です。
また、耐震基準を確認する際は1981年以降に作成された「新耐震基準」を見たいしているかどうかで判断するように注意してください。(それ以前の旧耐震基準では震度5に耐えられるかどうかが基準であり、それ以上の地震は考慮されていない)
家賃滞納リスクとはその名の通り、入居者が家賃を滞納することによって生じるリスクです。公益財団法人日本賃貸住宅管理協会が出している「賃貸住宅市場景況感調査(2020年度下期データ)」を見るとわかるように、昨今はコロナ禍の影響も相まって家賃滞納率が微増傾向にあります。しかし、管理人が自ら家賃滞納リスクに対して対策を講じることは難しく、さらなるトラブルへと発展してしまうケースも少なくありません。
空室リスク対策と同様、ここでも賃貸管理会社選びが重要となります。契約を締結する際、家賃滞納におけるトラブル対応についても詳しく確認するようにしましょう。
築年数が経過すればするほど、不動産には修繕の必要性が生じてきます。具体的には室内設備の交換をはじめ、外壁や屋根の塗装、エアコンや給湯器の取り換えなどが挙げられるでしょう。また、いつまでも古びた設備を使い続けることは内観および外観を損ねることになりかねず、入居が遠のくリスクもはらんでいます。
そのため、適切なタイミングで修繕を講じられるよう、計画的に修繕費を積み立てておくようにしましょう。
まとめ
今回の記事では不動産投資の代表的なリスクとその対策について、お伝えしました。不動産投資には無視できないリスクが数多く存在する一方で、それぞれに対策を講じることができます。不動産を選ぶ際は立地や周辺環境などの諸条件を考慮するほか、信頼できる賃貸管理会社を見つけることも大切です。
不動産投資のリスクについて正しい知識を身につけ、着実に将来の資産を作っていけるようにしましょう。
この記事が不動産業に携わられる方のお客に立てれば何よりです。
----------------------------------------------------------------------------
----------------------------------------------------------------------------
文:織瀬 ゆり
編集:簡 孝充