不動産経営管理士とは?その役割や資格の取得メリットを解説

space palette labo編集部

宅建士やマンション管理士、管理業務主任者といった不動産業3大資格に加え、近年、不動産経営管理士(正式名称:賃貸不動産管理経営士)といった資格が注目を集めています。2021年からは国家資格となったことも相まって、さらに認知度が高まることはもちろん、難易度もこれから先、上昇していくことが考えられるでしょう。

今回の記事では、賃貸不動産経営管理士の概要や役割はもちろん、取得メリットについてまとめてみました。

不動産経営管理士とは

「賃貸不動産経営管理士」とは、主に賃貸アパートやマンションなどの賃貸住宅を対象に、それらを管理するのに必要な知識や技能を問う国家資格です。賃貸物件の所有者(貸主)から委託を受け、適切に管理を行う「賃貸不動産管理業」において実務を担うのが賃貸不動産経営管理士であり、近年注目を集めている資格の一つになっています。2020年までは公的資格として知られていましたが、同年6月12日に「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」が可決・成立したことに伴い、2021年度より国家資格として扱われるようになりました。

不動産業に関連する資格として、これまで以下3つを総称し不動産業3大資格と呼ばれていましたが、ここに賃貸不動産経営管理士が加わる日もそう遠くないと考えられています。 

【不動産業3大資格】

  • 宅建士
  •  管理業務主任者
  • マンション管理士

賃貸不動産経営管理士の取得メリットと概要

賃貸不動産経営管理士を取得することで、主に不動産業界における就職や転職に役立つのはもちろんのこと、不動産投資を行う人にとっては不動産投資に関する実務的な知識を得られりでしょう。 また、宅建士およびマンション管理士との親和性が高く、両者に加えて賃貸不動産経営管理士を取得することでより理解が深まるため、ダブルライセンス・トリプルライセンスとしてもおすすめの資格です。

賃貸不動産経営管理士の主な役割について

賃貸不動産経営管理士の主な役割は以下の3つです。

  • 大家さんから管理業務の依頼を受ける
  •  入居者の募集から契約までを行う
  •  賃貸住宅の管理を担う

賃貸不動産経営管理士は大家さんから依頼を受けたのち、近隣の家賃相場や周辺環境等を考慮し、その賃貸住宅に見合った適正な家賃価格を提案するところから業務がスタートします。また、その際に建物をバリアフリー仕様とするなど賃貸ニーズに見合った企画提案を行うこともあるでしょう。

 物件の貸し出しについて詳細が決まったところで、次に入居者の募集を行います。入居者の募集に際して、貸し出す相手が入居候補としてふさわしい人物であるかを判断する「入居審査」という作業があり、ここでも賃貸不動産経営管理士の知識が役に立つでしょう。なお、入居者が決まって終わりというわけではなく、居住者たちが安心・安全に暮らせるように環境を整備することはもちろん、退去時の対応や空室維持管理までさまざまな管理業を担います。

賃貸不動産経営管理士の資格概要と難易度

賃貸不動産経営管理士の試験は年に1度、例年11月に実施されます。特に受験資格は設けられておらず、賃貸住宅の経営や管理に興味があれば誰でも受験可能です。出題形式は四肢択一で50問出題され、宅建士と同じように所定の講習を受けることで5問免除が認められています。

国家資格になってからの合格率はまだわかりませんが、例年30%~40%程度で推移しており、他の不動産系資格(宅建士やマンション管理士など)に比べると比較的難易度は低めです。ただし、合格率30~40%というのは10人受験すると6~7人は不合格になる試験ということになり、油断せずに早いうちからしっかりと対策をしておくことが大切でしょう。

なお、一般的に賃貸不動産経営管理士の合格に必要な勉強時間は100時間程度と言われています。

不動産管理士資格取得にかかる時間

専業での受験なら話は別ですが、仕事をしながら勉強しなければならないことを考えると、勉強時間を1日あたり2時間確保することを想定しても約2カ月~2カ月半の勉強期間を見込んでおくことをおすすめします。

まとめ

今回の記事では賃貸不動産経営管理士の役割や、資格取得メリットについてお伝えしました。先にも述べたように、宅建士やマンション管理士といった他の不動産系資格に比べれば比較的難易度は易しいといえますが、今年から国家資格化したことも相まって今後難化傾向に転じる可能性も否定できません。 

また、試験は年に1度しかないため、落ちてしまうと来年まで持ち越しになってしまう点にも注意が必要です。そのため、なるべく早いうちから勉強をスタートし、難易度がこれ以上あがってしまう前に早めの受験を検討することをおすすめします。

この記事が不動産ビジネス従事者の方のお役に立てれば何よりです。

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文:織瀬 ゆり

編集:簡 孝充

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