レンタルスペース事業でよくあるトラブルと失敗しがちなポイント

space palette labo編集部

最近、若い世代を中心に人気のある「レンタルスペース事業」。従来型の不動産ビジネスに比べて参入しやすいレンタルスペース事業は、その分競合が多く、なにかとトラブルに発展しやすい要素が多いといわれることも。

ここではレンタルスペース事業でよくあるトラブルと失敗しがちなポイントについて紹介しつつ、それらのトラブルを回避するための術をまとめてみました。レンタルスペース事業運営を検討されている方は参考までにご一読ください。

よくあるトラブルと失敗しがちなポイントとは

コロナ禍でリモートワークやオンライン授業が増加している中、自宅で作業しづらい人を対象としたレンタルスペースの需要は高まっています。そうした需要の波に乗ろうと、レンタルスペース事業を新たに始める人も増えている一方で、レンタルスペース運営にかかるリスクをしっかりと理解しておくことも大切です。

ここではレンタルスペース事業でよくあるトラブルを4つを、ピックアップしてみました。

さっそく見ていきましょう。

近隣住民との騒音トラブル

レンタルスペースでよくあるトラブルの1つに、近隣住民との騒音トラブルが挙げられます。特に、住宅系の用途地域でレンタルスペースを運営したい場合には要注意です。

レンタルスペース自体が防音機能を兼ね備えていれば話は別ですが、大半のレンタルスペースがそうした対策が取られていません。そのため、レンタルスペースの利用希望者に対してあらかじめ注意喚起を促しておくことはもちろん、近隣住民に対して理解を得られるように働きかける必要があるでしょう。

具体的にはオープン前から何度か脚を運んで丁寧に説明をしておくほか、万が一騒音が生じた場合は速やかに連絡をしてもらえるよう連絡体制を整えておくのも大切です。

せっかくレンタルスペースをオープンしても、騒音トラブルが絶えなければ警察に通報されてしまう恐れがあるだけでなく、最悪の場合営業時間の短縮や営業の停止といった厳しい措置が取られる可能性もあります。

そのため、事前にどの程度の音量がすると不快に感じるのかを調べ、近隣住民と良好な関係を保つように心がけましょう。また、用途地域が住宅でない場合でも、近隣の会社に挨拶回りなどを行っておくとトラルブを未然に防げるものかと思います。

利用者のマナーによるトラブル

レンタルスペース運営で、騒音と並んで多いのが利用者のマナーに起因するトラブルです。

具体的にはレンタルスペースに備え付けの備品を壊されてしまう、部屋そのものを破壊されてしまったなどという物件や備品の破損、盗難が該当します。

そして予約の都合上、時間差がなく立て続けに利用者が入る場合には前の利用者が部屋を汚したまま退出しないように注意を払わなければなりません。部屋が汚いといったクレームから予約がキャンセルになるだけでなく、場合によっては全額返金対応を迫られる恐れもあります。

こうした事態を防ぐためにも、まずは利用規約に「施設の破損あるいは備品の破損・盗難が生じた場合は〇〇といった対処を取らせていただきます」といった文言を記載しておくことは勿論、利用開始の前段階で確実にその利用規約について伝えておくことが肝心です。

また、部屋に監視カメラを設置しておくことで盗難や悪質な行動を防げます。ただし、監視カメラを設置していても死角は存在することから、過信しすぎないように注意が必要です。

カギの受け渡し(チェックイン・アウト時)

カギの受け渡しトラブルもありがちなトラブルです。遠隔操作でオペレーションを行う場合には特に注意が必要です。

まず一つ目が、利用者がカギを持って帰ってしまったケース。

次の利用者が予定通りにイベントスペースを利用できなくなってしまう(=機会損失)ため、管理者側で損失を補填しなければならない事態に発展する恐れがあります。

カギを電子キーに交換することでトラブルを防げますが、交換するためにそれ相応の費用が必要です。そのため、交換費用の捻出が厳しい場合には「カギの受け渡し代行サービス」の利用も併せて検討しておきましょう。

二つ目に、電池式の電子キーの場合には電池切れに注意しなければなりません。

電池が切れてしまうとドアの開閉ができなくなるため、イベントスペースの利用が事実上不可能です。レンタルスペースの清掃時や一日の終わりに必ず電池残量を確認するように心がけましょう。

予約管理(ダブルブッキング)

レンタルスペースを運営するうえで決してあってはいけないこととして、ダブルブッキングがあります。ダブルブッキングとはその名の通り、同時刻に2組以上の予約を受け付けてしまうことを指します。

ダブルブッキングが生じた場合、利用者に対して全額返金対応が必要となるほか、収益目的のイベントが予定されていた場合には損失補填義務を負わなければならないこともあるでしょう。

レンタルスペースは従来型の不動産ビジネスと比較しても、集客の重要性が非常に高いビシネスです。そのため、スペースシェア系のプラットフォームに複数掲載しながら、稼働率を高めていく必要があります。その際に注意をしたいことがダブルブッキングです。

例えば、システム連携ができるサイトコントローラーのような仕組みを活用したり、スケジュール管理アプリを活用するなど機械的に在庫(スケジュール)を管理していく仕組みの導入などを考えた方が良いかもしれません。

人の手でやった方が良い領域と機械的に管理した方が効率的な部分を整理しつつ、オペレーション体制を構築していくことをお勧めいたします。

レンタルスペース事業を始める前にチェックすべきこと

レンタルスペース事業はワンルームマンション投資をはじめとした他の不動産投資に比べ、始めるまでのハードルが低い一方で、競合が多くトラブルが多いのも事実です。不要なトラブルが発生してしまうと時間がとられるだけでなく、本来かかるはずのない費用(損失補填など)が生じます。

そのため、レンタルスペース事業を始める前に起こり得るトラブルをしっかりと洗い出したうえで、防げそうなものについては対策を講じておくようにしましょう。今回は運営の際に起こりがちなトラブルをトピックとさせて頂きましたが、事前に認識しておくことで、防げる問題ばかりです。例えば、下記のようなトラブルと対処方法を事前に知っておくだけでも未然に防げるものばかりです。

・近隣住民トラブル→事前に用途地域を調べ、近隣に挨拶をしておく。

・利用者のマナー→利用規約による制限

・鍵の受け渡し(チェックイン・アウト時のトラブル)→リモートロック等の機械的に管理

・予約管理(ダブルブッキング等)→サイトコントローラー等で機械的に管理

できれば、運営開始前に上記についてはチェックしておきましょう。

まとめ

今回はレンタルスペース運営において起こりがちな、トラブルと対処方法を紹介させて頂きました。リスクを極力回避したうえで、利用者に気持ちよく使ってもらえるようなレンタルスペースを目指しましょう。

この記事が少しでもレンタスペースの運営者様のお役に立てれば何よりです。

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文:織瀬 ゆり

編集:簡 孝充

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