#01 テナント関係構築のポイントと活用すべきSNSツールのチェックリスト【デベロッパー営業の基本 ノウハウ】

space palette labo編集部

連載コラム、第1回目となります。このシリーズでは、10年以上の不動産営業マン経験者が自身の経験を元にしたノウハウを提供します。今回は商業デベロッパーに従事している営業マン向けに基本ノウハウとなります。内容は平易なものですので、チェックリストのようにご活用ください。

テナントと良い関係を構築する為には、日常のクレーム対応や、商戦の広告作りをする際の打ち合わせなどを、上手に進める事がとても重要です。ですが、不動産管理担当の抱えるタスクは多岐にわたり、負担も大きく「手間」と「時間」が必要なものばかりです。

その為、テナントとのコミュニケーションに使える時間を、十分に確保する事は難しい事と思います。この記事では、そんな時間の足りない不動産管理担当がテナントと関係構築をしていく、基本と効率的なツールをご紹介します。

テナント関係構築の4つのポイント

カジュアルな雰囲気のミーティング(写真:まぽ/ photo AC)

まずはヒアリング

施設とテナントの考える方向性が常に一致しているとは限りません。よほどの無理難題でない限りは、テナント側の考えを尊重する事も大切です。

コミュニケーションを取る時は「テナント側がどうしたいのかを明確に理解する」事を意識してヒアリングしましょう。施設側はどうしたいのか?一方で、テナント側はどうしたいのか?要望や要求を明確にし、お互いの着地点となるポイントを探し出しながらヒアリングを行いましょう。

共通のゴールを設定する

施設側の構想や方向性に対して、テナント側の売り出したいものがマッチしない事があり、話が進まなくなる事もしばしば。

その場合は、トピックス的な展開やコピーライティングの工夫、広告の打ち出し方など、互いの企画を両立できる展開を考えましょう。

うまく企画をターゲットの形に乗せる事が出来れば、訴求の力が強くなり、新たな購買意欲を作り出す事も可能になります。

良い企画をすればテナントからの信頼を獲得することができるので、今後の業務にも良い影響を及ぼします。

ゆとりのあるスケジュールを設定する

特に期限を設ける時は、スケジュールにゆとりを持たせて設定しましょう。

テナントの中には、現場に決裁権がある企業もありますが、中には決裁権がなく、本部やエリアマネージャーに承認を得なければ物事を進められない企業もあるなど様々です。また管理担当も決定権がない場合は同様です。

セールやキャンペーン等で施設側の施策が関わる際は特に気をつけなければなりません。余裕のもったスケジュール案内が出来ているか否かで、テナント側の心象も大きく変わってしまいます。お互いの運営システムを理解して、余裕のある予定を組むことが出来れば、仕事も円滑になり、テナントからは理解のある人だと思ってもらえるので好印象も与えられます。それによってコミュニケーションもスムーズに取ることができるでしょう。

テナント間の交流を促す

一方的な連絡事項だけではなく、時にはテナントが抱えている問題を把握、共有する事も大切です。例えば、「店長会」や「〇〇ミーティング」などのように目的に沿った話題で議論をしていく事も重要です。

共に試行錯誤することで、テナントにも仲間意識が芽生えてくるからです。一方で、施設→テナントという一方的な繋がりではなく、テナント同士の情報共有をしやすくする工夫も必要です。そのため、どうすればテナント側が発言しやすくなるか?を考えてミーティングのアジェンダ設計をしていく必要があります。

最低でも月に1回程度はそのような場面がある事で、フロア全体の雰囲気にも大きく影響を与えていくはずです。

コミュニケーションを効率化する

スマホを操作するイメージ(写真:しばいぬだいすき/ photo AC)

非同期型コミュニケーションツールの活用

電話の場合だと、テナント側は接客中に受話器を取ることは出来ません。逆に施設側も商談や会議の場合には同じことが言えます。

一方でメールでの連絡は確かに送ったという履歴を残すことができますが、店舗に立っているスタッフの方はメールを見ないケースも

多々あります。様々なデータが示しているように、LINEやSNSはメールと比較しても開封率高いツールです。メールだと気がつかない

というテナントスタッフさんもLINEだと見てくれる事もあるでしょう。

また、メールの場合は、数十のテナント(場合によっては100件以上の )にメールを送付する事も施設側としては時間が取られてしまう作業です。

このような状況を踏まえると、LINEやFacebookのグループ機能をお勧めします。施設側のメッセージ送信は1度で済みますし、フロア全体の情報共有にも役立つはずです。メッセージ送信までにかかる労力を飛躍的に向上させる事はできるはずですし、必ず伝えなければいけない情報を伝える手段にはなるはずです。

※ただし、機密情報の連絡事項に関してはメールや書類での連絡をお勧めします。

会議はITツールを使って生産性を上げる。

店長会や定期集会などは、これまでは対面で行うことが良しとされてきました。しかしながら、昨今の状況では、ZOOMやSkypeなどを駆使してWEB会議を望んでいるテナント(企業)も増えているはずです。このようなデジタルツールの導入により施設側もテナント側も生産性は飛躍的に伸ばせるはずです。

昨今はどのお店も人手不足です。zoom会議のようなシーンであればお店を離れなくても参加はできる店長も多いはずですし、仮に参加ができなくても、録画機能を活用し、データを事後に配布することも可能なはずです。そうすることで、従来のように議事録を細かく作成するという施設側の無駄な作業の軽減にも繋がるはずです。

本投稿のまとめ

商業施設とテナントの架け橋となる事が、不動産管理担当者の大切な仕事です。その為にテナントと良い関係を構築し、信頼を獲得していく事が必要不可欠となります。

それに合わせて、現在のトレンドに沿ったツールを、日々の業務に取り入れていくことが、コミュニケーションの効率化に必要不可欠ではないでしょうか?必要な業務をこなしながら、テナントとコミュニケーションを通じて、信頼を得ていくことが出来れば、一目置かれる管理担当者になる事でしょう。

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文:楠本 貴之

編集:簡 孝充

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