弁護士と考えるレンタルスペース運営に関する法律ー#03.用途と消防についてー

space palette labo編集部

レンタルスペース運営は従来型不動産ビジネスと比較すると新しい概念になります。そのため、法の解釈で迷われる方も多いはずです。そこで、これらにまつわる法律について現役の弁護士に相談を行い、全3回にわたってご紹介していきます。第3回目は用途と消防についてです。

レンタルスペース事業者の方やこれから開業を考えられている方は、ぜひご一読ください。

レンタルスペース事業者が地域と関わる際に注意すべきこと

Q.建物用途と用途地域

レンタルスペース事業者と街との関わり方についてです。その際に、都市計画法上で定められた「用途地域」や建築基準法上の「建物用途」という制限があるかと思います。レンタルスペース事業者側は、予め定められた用途にどの程度忠実であるべきなのかを深掘りしていきます。

ー法律上定められたいる用途が違う異なる場合に受ける罰則はどのようなものがあるでしょう?

簗田:はじめに知っておいていただきたいのは、用途地域と建物地域はそもそも異なる概念という点です。用途地域とは都市において、同じような利用方法の建物を集合させて、生活環境の保護を促進させるために都市計画法第8条で定められている区分方法になります。用途地域毎にどのような建物を建設可能なのかという点は建築基準法第48条で定められており、これに違反する建物を建築した場合は都道府県知事や市町村庁が是正命令提出することが可能となります。その是正命令に従わなかった場合は3年以下の懲役、もしくは300万円以下の罰金に処させる可能性があります。

レンタルスペース運営の観点では恐らく、建物の用途を全く変える必要があるほどのケースはそれほどないかと思います。ただし、住宅の用途制限がかかっているエリアでビジネスを展開する場合には許可がおりないケースも考えられます。

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インタビューに答える梁田真也弁護士(写真:桜木 淳之介)

当サイトは基本的にビジネスシーンでの利用を促すものなので掲載スペースに居宅は一切掲載されておりませんが、居宅でレンタルスペースを運営しているようなケースもかなり見られます。そういった場合は建物用途に反している可能性も高いということでしょうか?

簗田:それは建物用途云々以前の問題ではなく、運営そのものが違法であるケースも考えられるかと思います。過去には民泊等で社会問題化したケースもあり、住宅宿泊事業法が施行された経緯があります。居宅で運営されているレンタルスペースは無許可民泊と変わらないものですから、建物用途以前にそもそも違法である可能性が高いです。

Q 消防法について

次にお伺いしたいのが、消防局との関わりについてです。内装工事を入れる場合は、消防局への届け出が必要になるかと思います。どんなシーンで消防局への届け出が必要になるのかを教えてください。

ーこれからレンタルスペースの運営をされる場合には、すべての用途において消防許可は必要になるものですか?

簗田:消防設備を設置しなければいけない建物の構造なのに設置していないとそれは違反になります。建物の構造次第では消防署に確認する義務は無いです。ただ、レンタルスペースの運営については従前の内容を変える場合もあるかとは思いますので、消防用設備を設置義務があるかどうかは確認する必要があります。

例えば、天井までのパーテーションを入れた場合については消防署に届出を提出する必要性があります。各自治体の消防署に直接電話をかけて確認する方が早いかと思います。

壁紙を張り替える程度であれば必要ないですが、敷居を入れたり個室を作る等の工事が発生する場合にどういった構造になるのかによって求められる消防設備も変わってくるかと思います。

スプリンクラーを入れないとダメなのか、消火器を設置しないといけないのかは建物構造がどう変わるか次第になります。そもそも、内装業者がその辺を把握していることかと思いますので、消防署ではなく業者は把握しているかと。逆に、その点を把握していないような内装業者には依頼しない方が良いという判断材料にもなるかと思います。

まとめと考察

全3回にわたり、レンタルスペースにまつわる法律についてインタビューを実施ました。細かな条例は地域毎により異なるものの、レンタルスペース運営における核となる法律はこの3回である程度は網羅できているものと思われます。

これからレンタルスペースを開業される場合も、既に運営をされている場合にも、今回の記事を一通り読んでいただき、利用規約や契約の見直し等を行って頂くことは有意義であるはずです。

この記事が少しでもレンタルスペース事業に関わる皆様のお役に立てれば幸いです。

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簗田 真也

保有資格:弁護士、司法書士、行政書士、相続知財鑑定士

平成21年、北星学園大学経済学部在学中に司法書士試験に合格し、その翌年に、司法書士事務所を共同設立。平成24年には行政書士試験に合格し、其の翌年行政書士法人を設立する。平成27年には司法試験に合格し、翌年やなだ総合法律事務所を開所。企業分野ではスタートアップ・ベンチャー法務、不動産法務、ビジネス法務をはじめとし中小企業法務全般の法務に携わる。

インタビューアー:簡 孝充

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