映像制作の仕事で使える資格を解説ー制作スキルの向上から現場で役立つものまでー

space palette labo編集部

映像制作は、テレビや映画業界だけが行うことではありません。個人の動画配信や会社のPR動画など、特別なスキルがなくても映像制作は可能です。ただ、より良い映像制作を求めるならば、それなりのスキルが必要でしょう。

今回は、スキルの目標となる資格や持っていると映像制作がしやすくなる資格を紹介します。

映像制作の仕事に資格は必要か

映像制作の仕事をするために必須の資格はありません。映像制作は、資格よりもセンスや作品自体が評価されるものです。例え多くの資格を持っていても、作品に魅力がなければ仕事を得ることは難しいでしょう。

しかしながら、最初から人に評価される映像制作ができる人はいません。最初は、基礎的な技術を身に着け、思い描いたイメージを的確に表現できるようにすることが大切です。実際の現場で必要とされるスキルはアーティスティックな自己表現よりもクライアントからの要求に応えられるスキルであり、経験とテクニックが必要とされるものが多いというのも現実的な意見です。特に映像制作には、多くの機材やソフトを使います。具体的な資格取得を目指すことは、学ぶ方向性が明確になり、一定レベルのスキルがあることを第3者に知ってもらえる機会にもなるはずです。

映像制作と編集の資格ならアドビ認定プロフェッショナル:Adobe Captivate

プロのクリエイターを目指すならばアドビのソフトを使いこなす必要があるでしょう。アドビは、フォトショプやイラストレーターなどクリエイターの必須ソフトを作っている会社です。「アドビ認定プロフェッショナル:Adobe Captivate」は、すべて英語で表示されます。英語が苦手な人は、それだけで受験が難しくなるでしょう。

映像制作は、いまや世界を舞台にするジャンルです。「英語が苦手で試験が受けられない」という人は、まず英語を学ぶことから始めてみるといいのではないでしょうか。世界中の作品や人と交流することは、資格取得以上に大きな影響を与えてくれるかもしれません。

技術を証明するなら「マルチメディア検定」

マルチメディア検定には、ベーシックとエキスパートの2種類があります。アニメーションや音声や音響など映像制作に必須のメディアの処理技術から知的財産権まで映像制作に携わるなら知っておくべき知識を網羅しています。

試験内容は、ベーシックがマークシート式で大問10問を60分で行います。エキスパートは、大問10問を80分で行います。100点満点中70点以上で合格となりますが、問題の難易度によって多少変動します。合格率はエキスパートで25%前後となっています。けして簡単な資格試験ではありませんが、映像制作に必要な知識と技術を広く網羅している内容であるため、映像制作の仕事で就職活動をする人、転職する人にとってはスキルを証明する武器となる資格です。

受験費用は、ベーシックで5,600円・エキスパートで6,700円です。  

CGに興味があるならCGクリエイター検定

ゲーム業界やアプリに関する映像制作資格の取得ならば、CGクリエイター検定がいいのではないでしょうか。CGクリエイター検定は、民間資格ですが就職や転職でスキルをアピールするのに役立つ資格です。CGクリエイター検定は、ベーシックとエキスパートの2種類があります。ベーシックは、CGデザインの基礎知識と静止画像の制作の能力です。エキスパートは、3次元のCG映像制作と専門的な知識に加えて知的財産権などの法律も学びます。合格率はベーシックが60%以上、エキスパートは20%以上程度で推移しています。

受験費用は、ベーシックで5600円・エキスパートで6700円です。

番外編:意外と一番使える資格は「中型自動車二種免許」

映像制作の仕事は、大きな道具や機材を使います。ロケを行うときには、製作スタッフの移動だけでなく、機材の運搬に車両が必要です。そのため、映像制作の求人は「普通免許」が応募条件になっていることがあります。

中型二種免許は、29人以下のマイクロバスを運転できる免許です。製作スタッフや機材を運搬するとなるとマイクロバス程度の車両が必要になることがあります。マイクロバスを運転できる人材は意外と少なく、それだけで重宝される可能性は高いでしょう。

似たものに中型免許がありますが、仕事で運転代行する場合には二種免許が必要になります。中型二種免許は、普通免許取得と同様に直接試験を受ける方法と自動車教習所で講習を受ける方法があります。普通免許を持っていれば、約2週間程度で取得することができるでしょう。費用は教習所やコースによって差はありますが、10万円以内が相場です。

まとめ

映像制作の仕事で使える資格は、主にスキルの証明に使える資格です。映像制作の現場では、スキルの多さよりも作品(結果)で評価されることが多いでしょう。資格取得で満足するのではなく、取得した映像制作資格をどのように自分の作品作りに活用していくのかを考えることがとても大切です。

また、映像制作に関する資格の中には名前だけで中身に信ぴょう性がないものもあります。講座や講習に申し込むときには、講座を開いている会社や団体の信頼性を調べ、講座終了後にどのような資格取得が可能なのかをしっかりと確認をする必要があります。

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文:式部 順子

編集:簡 孝充

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