会議やワークショップを成功に導くファシリテーターの役割と重要性について

space palette labo編集部

会議やワークショップの質を高めるためにファシリテーターの存在が大切です。しかしながら、基本的にファシリテーターが不在の会議を行うことも多いものではないでしょうか。どうせ会議やワークショップを開くなら、有意義な時間にしたいと考えるのは当然のことです。参加者が濃密な時間を過ごしていくためにはファリシテーターの存在が重要であるはずです。

この記事では、そもそもファシリテーターとは何か、また、どんな役割を担っているのかについて解説していきます。

ファシリテーターとは

ファシリテーターとは、参加者の発言をサポートし、合意形成をしながらスムーズに議事を進める役割を持つ人のことを指します。会議やワークショップのように参加者が主体になる場面では様々な意見や質問が飛び交います。その場にファシリテーターが存在しない場合、収集がつかなくなるケースも多くなります。終了後に参加者が『これって何のための時間だった?』と感じられてしまうことになり兼ねません。

そのため、参加者がテーマやアジェンダに沿った時間を過ごしていくためにはファシリテーターの存在が重要になってきます。わかりやすく例えるなら、ファシリテーターとはバラエティや討論番組で言うMCや司会者のような存在と言えるでしょう。個々に面白い芸人さんがいても全体として面白い番組を作るためには、MCの存在はとても重要なものです。会議やワークショップにおいても、同様のことが言えます。

つまり、全体を客観視しながら、適切な時間配分で議論を進めていく役割を担う方がファシリテーターということです。

ファシリテーターの役割について

会議やワークショップにおけるファシリテーターの役割をまとめると、全体の合意形成、そして時間配分を考慮しながら進行管理をしていく役割を担う存在を指していると言えます。その役割について考えてみたいと思います。

全体の合意形成

合意形成とは、その場の参加者が納得し最終的な意見が一致している状態のことを指しています。ほぼ同義語にコンセンサスという言葉がありますが、意見の一致や相違といった意味で理解がされているものです。特定の方のみが一方的に話をするような会議やミーティングは合意形成が取れていない状態であると言えます。程度の違いこそあれ、会議やワークショップという参加者の発言によって成り立つものにはこの合意形成が必要不可欠な要素であるものです。

一方で、参加者から積極的に意見が飛び交う会議やミーティングは理想的なものと言えます。ただし、あまりにもバラバラな意見が飛び交っていると最終的な合意形成がどんどん遠ざかってしまう側面もあります。この辺の調整を調整するのがファシリテーター役割です。つまり、参加者から様々な意見を収集しつつ整理。そして最終的な着地点にまとめ合意形成に至るという一連のプロセスを担うのがファシリテーターの役割という事です。

時間配分と進行管理の役割

会議やワークショップに限らず、仕事には時間制限がつきものです。会議やミーティング、ワークショップにおいてこの時間管理もファシリテーターの重要な役割の1つです。一方的に話す内容が決まっているような場面であれば、時間を管理していくことはそれほど難しくはないものかと感じますが、様々な人から意見が飛び交う中で、合意形成をしながら時間管理もしていくというのはなかなか大変です。

予想外の発言があったり、ちゃぶ台い返しのような意見が飛び交うことはとてもよくあることだからです。例えば、撮影においては香盤表のようなものを予め作成することが通例ですが、ファシリテーターもアジェンダとタイミムスケジュールを予め考え、バランスをとりながら調整していく役割を担うものです。

テーマやアジェンダにおける専門知識

これは役割というよりは上記の役割を担うにあたって必要なことになります。全体の時間配分をしながら、合意形成をしていくプロセスで重要なことは、ファリシテーター自身がそのテーマや議題をある程度知っている必要があります。というのも、ファシリテーターが参加者の発言内容を理解することができない場合に、意見をまとめていくことは不可能なはずです。

例えば、建築、不動産、システム開発、マーケティング…などそれなりに専門性の高い議論となる場合に、これらの知識を全く有していない方がファリシテーターを行うことはまず難しいものです。そのため、少なからずそのテーマに沿って議論ができるレベルの知識を有していることがファリシリテーターの条件とも言えるはずです。

ファリシテーターが意識すべきこと

先にも触れたようにファシリテーターを担うためには、それなりに経験値が必要です。仮に経験が浅いという方は、まず下記のことを意識しながら取り組んでみるべきかと思われます。

 中立の立場を貫く

会議やミーティング、ワークショップの場面で最も多く話すことになるのはファリシテーターであるはずです。議論するような場面であれば、肯定派、否定派とそれぞれ意見が別れることもあるかと思います。その際に、ファシリテーターがどちらかに先入観があると一方が発言しにくい状態になってしまうからです。ファシリテーター自身が一方的な意見のみについて発言していると、議論を誘導してしまう可能性も出てきてしまうこともあるはずです。

全体の合意形成がゴールとなるわけですから、その場面を客観視して、参加者の意見を促しながら同意する程度が望ましいものかと思います。

参加者が発言しやすい場を作る

参加メンバーが全員社内の同じ部署という会議やミーティングであれば、普段の雰囲気の延長線上で考えられるかもしれませんが、そうはいかない場合も多いはずです。参加者同士が全く知り合いでは無いという場面も少なからずあるはずです。特にそんな場面では相手がどんな人なのか?という事前知識が全くない状態でファリシテーターを努めなければならないということもあるはずです。

そういった際にもやはり合意形成をしていくためには、参加者が発言や質問をしやすい場を作ることが重要です。この辺は業務的になりすぎず、砕けすぎずといった絶妙なバランスの空気感が必要になることでしょう。後でも触れますが、アイスブレイクなどを取り入れてみることもそうですが、参加者に簡単な自己紹介をしてもらうというのも良いはずです。

知識やスキルの違いを埋める

当日の参加者は社内や近しい存在だけで開催されるとは限りません。知識や経験のレベルも参加者によってバラツキがあることが多いものです。そこで重要になるのが、これらの違いを埋めていくことです。特定の方の発言があまりに専門的すぎて参加者の大半があまり理解できないという場面も出てくるはずです。そういった際にファシリテーター自身がよりわかりやすい言葉で参加者に説明してあげるようなことや経験の浅い参加者に変わって、あえて質問するというようなことも必要になってくるものかと思います。

全体の合意形成に至るためには、こういった知識レベルの違いにも目を向けていく必要があります。

具体的な手法

ここまでに、ファリシテーターの重要性とその役割ついて解説させて頂きました。下記においては実際にファシリテーターを行う際によく使われる具体的な手法について解説いたします。

KJ法

付箋を活用したKJ法のイメージ(写真:photoAC)

アイスブレイク

営業を経験された方には聞き慣れた言葉かもしれませんが、会議や研修、ワークショップ等ではよく使われるものです。その名の通り、氷のように固まった場の雰囲気を壊すという意味です。特に参加者全員が初対面である場合には、少なからず凍りついたような場面を経験されたことは誰にでも少なからずあるはずです。そんな空気感を和らげるために多用されるのがアイスブレイクです。

ワークショップのような現場であれば、自己紹介のような簡易的なものから、参加の意気込みや目的などを一言加えてもらうだけでも良いと思いますし、パーソナリティを示すような質問を加えるということも良いかと思います。

重要な点としては、最初に行うことです。というのも発言をしない時間が長いと、参加者によっては発言しにくい心理状況になるためです。

全体の流れとルール策定

前述のようにファシリテーターは時間を管理していく必要があります。議論や討論をしながら進行管理をしていくため、当然参加者にも協力してもらう必要があります。そのため、最初に大まかな時間配分やその場のルールのようなものを理解してもらう必要があります。ホワイトボードにアジェンダとタイムテーブルを書きながら説明というのも良いはずです。

また、ルールについては全体の場を盛り下げる発言を控えるようなものですが、最初にあえて伝えておくことは重要です。特に初対面の方である場合は自分とは常識の範囲が異なることが前提で話した方が逆にスムーズなことも多いはずです。例えば、相手を否定する発言はやめましょう。誹謗中傷はNGです。機密情報やプライバシーに触れてしまう発言は控えましょう。といった当たり前のことでも事前に伝えておいた方がその後の進行はより円滑になるはずです。

ゴール(着地点)を最初に決める

特に社内会議のように慣れた人同士で行う会議のような場面では、ゴールを決めてから着手する方がスムーズです。慣れたメンバー間では、本題からそれてしまうことも多く、どうでも良い質問をされる方も多くなる傾向があります。そのため、アジェンダとゴールは会議をスタートする前に定義しておく必要があります。それらを最初に話していないことで、参加者が時間配分への意識が薄くなってしまうからです。

 最初に伝えていれば、ファシリテーターは『まだ、話さなければいけないアジェンダがこんなにあるのに...』という気負いがあれば、参加者に自然に伝えていくことができるはずですが、あとあとになってから発言しても、参加者からすれば後出しジャンケンのように聞こえてしまうこともあるはずです。だからこそ、冒頭でアジェンダだけではなく最終的なゴールも明確に伝えておく必要があります。

KJ法の活用

こちらは、少々聞き慣れない言葉かもしれませんが、特に理論的な合意形成が必要になっていく場面ではよく使われる手法です。具体的には付箋のような小さなカードに思いついた答えやアイデアを記入してもらい、それらをグループ化しながら思考をまとめ上げていくという手法になります。

特に議論が白熱してしまいそうな場面では、感情論になってしまいがちで、理論が整理されにくい環境になってしまうことはよくあることです。そのため、意見を紙に書いてもらうことで参加者は本音を描きやすくなる傾向はあるでしょうし、アイデアを可視化していく意味でもとても有効な手法であるはずです。

まとめ

今回はファリシテーターの重要性と主な役割、そして会議やワークショップで多用される具体策について解説してきました。冒頭でも触れましたが、ファシリテーターが不在の会議やワークショップは消化不良となることが多いはずです。参加者全員が合意形成に対して意識がたければ話は別ですが、簡単に意見はまとまるはずですが、そう上手くはいかないことも多いはずです。

また、ここまで合意形成を強調してきましたが、そもそも参加者全員が100%の満足値ということは中々難しいものですし、そればかりに気をとられていると時間内に終了できなくなってしまうという側面もあるはずです。何にでも経験は必要なはずですが、ファリシテーターも経験が現れるものです。他の仕事と同様に、最初から完璧を目指すよりも、まずは小さな目標設定をしていくことが成長への第一歩であるはずです。

この記事が、会議やワークショップの開催を考えられている方のお役に立てれば何よりです。

----------------------------------------------------------------------------

----------------------------------------------------------------------------

文:space palette labo 

編集:簡 孝充

関連記事