FP・宅建士ライターが考えるレンタルスペース開業資金の調達方法

space palette labo編集部

コロナ禍でリモートワークの必要性が問われている昨今、自宅で集中して作業することが難しい人を中心にレンタルスペースの需要は高まっています。除菌および消毒の徹底やこまめな換気といったコロナ対策は欠かせませんが、今後も一定の利用が見込まれることは確かでしょう。また、個人でも比較的運営しやすいレンタルスペースは根強い人気があり、実際に稼いでいる人も多数存在します。とはいえ、はじめてレンタルスペースで開業使用と考えている場合、どうやって資金を調達したらいいのか悩んでしまう人もいるかもしれません。

そこで今回は、レンタルスペースの開業資金の調達方法についてまとめてみました。

レンタルスペース経営とは

時間貸しのビジネスモデル

レンタルスペース経営とは、「空いているスペースを時間単位で貸し出すサービス」のことを指します。たとえば、家賃15万円の物件を借りて、そこを1時間2,000円で貸し出すとしましょう。その場合、月に100時間の利用が発生すれば収益は20万円、倍の200時間で40万円の収益を得られます。

昨今では「レンタルオフィス」といった、期間や時間で区切ってオフィス利用できるようなスペースを貸し出したり、「貸会議室」などと会議室代わりに利用できるレンタルスペースも人気が高まっています。

従来型の不動産ビジネスとの違い

従来の不動産ビジネスは、月や年単位で利用者を集めることで成り立っていました。例えば、定期借家や賃貸借契約を締結し、月毎に安定的に賃料収益を稼ぐというビジネスモデルです。一方でレンタルスペースは時間単位で利用ができるものなので、月毎に収益にはバラツキが出てきます。集客次第では、より多くの(従来型の不動産運営)収益を稼ぐことが可能ですが、収益の安定性は低くなる可能性も出てきます。スペースの用途やエリアよって、繁忙期と閑散期の幅が大きくなる点を事前に知っておく必要があります。

 レンタルスペースの開業資金目安

レンタルスペースのイメージレンタルスペースのイメージ(写真:さとし0V0/ photo AC)

様々な用途と必要な設備

「レンタルスペース」には様々な用途が存在します。自らを「レンタルスペース」と名乗っていなくても、実質的に同じ形態で使われている場所も多いものです。レンタルスペースとは、例えば下記のようなものがあります。

・会議室

・セミナー会場

・コーワーキングスペース

・演劇場

・ギャラリー

・ライブハウス

・物産展や販売祭事場

…etc

レンタルスペースを開業する際に重要なことは、スペースの用途を明確にし、利用者にとって必要な設備や機材を把握していくことです。wifi環境やコピー機のないコーワーキングスペースは利用者にとって魅力がないでしょうし、什器やテーブル等が借りられない物産展会場は利用したい方を集めにくいことになります。

そのため、まずは用途を明確にし、利用者の視点に立って設備を準備していくことがとても重要になります。

レンタルスペースの開業資金の大まかな目安

 前述のように、レンタルスペースをどのような用途で使用するのかによって開業資金は変わってきます。また、物件取得費だけでなく必要な設備や機器を用意する必要があることから、一般的に最低でも300万円程度の資金があると安心でしょう。とはいえ昨今では少人数での利用も増加していることから、それほど大きなスペースでなくともレンタルスペースを経営しているケースも多く見受けられます。

その場合、家賃が10万円程度の物件であれば初期費用として100万円ほどを見込んでおきましょう。いずれにせよ、100万円単位である程度まとまった資金が必要となるため、自身の置かれている状況をしっかりと判断したうえで無理のない経営を心がけることが大切です。

開業資金の調達方法とは

先にも述べたように、レンタルスペースには開業資金が必要になります。自己資金が潤沢にあればともかく、それだけの資金をすべて自己資金で賄うのはなかなか勇気のいる決断です。そこで、ここでは開業資金の調達方法を4つ、ピックアップしてみました。

小規模事業者持続化補助金を利用する

小規模事業者持続化補助金とは、商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいる事業主を応援しようと設けられた制度のことです。小[1] 規模事業者持続化補助金の対象となる、「小規模事業者」は業種ごとの従業員数によって次のように定義されています。

小規模事業者の定義出典:令話元年度補正予算 日本商工会議所

また、上記の従業員にアルバイトやパートタイマー、同居している親族従業員などは含まれないので注意してください。小規模事業者持続化給付金では「一般型」と「コロナ型」のいずれかを選択する必要がありますが、レンタルスペース運営の名目であれば「一般型」に該当することがほとんどでしょう。

一[2] 般型では、開業にあたって支払った経費のうち3分の2が補助され、上限は50万円(条件を満たせば100万円)となっています。

 利用するためには「経営計画書」と「補助事業計画書」を記入し、審査に通過しなければなりません。とはいえ、補助金としてはハードルが低く、個人事業主からも人気があります。ただし、この補助金は完全後払いであるため、最初に一定の自己資金が必要となることに注意しましょう。

日本政策金融公庫から融資を受ける

日本政策金融公庫は、財務省所管の金融機関のことで個人でも利用可能です。 ここでは個人で利用できる「新創業融資制度」について、簡単にお伝えします。新創業融資制度は新たに事業を開始する場合や、まだ事業を始めてから日が浅い場合に利用できる制度であり、条件を満たすことで最大3,000万円の融資を受けられます。(無担保無保証の融資制度)

なお、条件の中に「開業資金の10分の1にあたる自己資金をもっている」という項目が含まれるため、それを満たすだけの自己資金はしっかりと確保しておくようにしましょう。また、融資までのスピードも早く、それ相応の金額を受け取ることができますが、その分審査のハードルは高いので注意してください。

信用金庫から融資を受ける

信用金庫は大手金融機関と比べ、中小企業や個人を主な取引対象とするほか、地域社会の繁栄を目的としています。 そのため、銀行よりは比較的融資を受けやすいといえるでしょう。しかし、先述した新創業融資制度のように無担保無保証の融資とはならず、それ相応の金利負担が発生します。また、はじめてレンタルスペース運営に挑戦するといった場合、それまでの実績が証明しづらく融資審査に通りにくい恐れがあります。そうしたことも踏まえ、まずは先に述べた2つの資金調達法から検討してみることをおすすめします。

クラウドファンディングを実施する

ここ数年で知名度が上がりつつある、「クラウドファンディング」を活用するのも一つの手です。クラウドファンディングとはネットを通じて企画に対する賛同者を集め、その賛同者から開業や商品開発を支援してもらう仕組みのことです。また、募集者は支援をくれた賛同者に対してに何らかのお返しをプレゼントします。

お返しとして事業で得た利益の一部を還元するほか、調達した資金をもとに作ったサービス・事業で使える特典をプレゼントするケースもよく見受けられます。

 中には見返りを求めず、好意による出資を募っているところもありますが、それ相応の時間がかかるリスクがあるため、基本的には何かしらのバックを用意しておくものだと考えておいた方がよいでしょう。

まとめ

今回はレンタルスペースの開業資金の調達方法について、お伝えしました。レンタルスペースを開業する前に、まずどの程度の初期費用がかかるのかをしっかりと把握することが大切です。その上で自己資金との兼ね合いを考え、手持ち資金の拡充を図るとともに資金調達の方法についても検討するようにしましょう。この記事が少しでも参考になっていたら幸いです。

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文:織瀬 ゆり

編集:簡 孝充

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